Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
そしてその異名に鶯桃、含桃、荊桃がある。これへかく桃の字を加えたのは、この桜は固より桃の類では無いけれどその形ちが桃に似ているからだといわれている。またこれを桜というのはその果実が瓔珞の珠に似ているからだとの事である。
昔我が邦でこの桜桃をサクラだと思った事があったので、それでその略字の桜がサクラと成って今日に及んでいる。
もしも上の桜桃が我がサクラと同種の者であったなら、その間何んの問題も起らなく桜はサクラで済し込んでいてもあえて不都合な事は無かったが、不幸にも桜桃は全く我が邦のサクラとは別種の者であったのである。
桜桃は支那では特産の一つで主としてその果実を貴ぶ一の果樹である。ゆえに支那の書物にもこれを果樹の中へ入れている。その生本は日本へも来ていて諸処で見られるが、果実が余り沢山生らないので今日は大して世人に愛せられていなく、ただ前に来たものの残っているのを植えてある位の程度である。早春に葉に先だちてヒガンザクラ様の淡紅花が枝上に群着して開き多少は美麗である。花が了ると帯褐色の新葉が出で重鋸歯ある倒卵形の闊い緑葉と成る。実は葉間に隠見して赤熟し固より食用と成る。