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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう弱味に付け込んで、さも重大そうな手紙を寄越す。逢ってみると、埓口もない針ほどのことを棒大に言い立てて、金をせびり取ろうとするのであった。それに応じないと見ると急に居丈高になって私から金を出させようと恐喝したり、あるいは自分の窮状を並べ立てて若干の無心をしたりする。こんな手合いに一々かかり合っていたのでは、頭取の身体なぞ幾つあっても足りるものではなかった。

その煩に堪えなかったから、こんな手紙は一々秘書の手で適当に返事をして、それでも押し太く面会を強要してくるものは支配人のマジャルドーの手によって処理するよう命じておいたのであったが、貴殿御家庭上の重大事であり、御名誉にも関係する問題云々というのが、秘書にも独断で処理が付きかねたのであろう。そして同時にその数文字が、また私にも何となく普通の用件とは異った種類のものたることを感じさせたのであった。

「そうだな、これは私が自分で処理せずばなるまいな」と私はその拙劣な手紙を眺めながら凝乎と考えていたが、ともかくも逢ってみようと決心したのであった。日は明後日、時間は午後の三時から……場所はラムプラス裏通りの銀行倶楽部三階の特別応接室、そこでお待ちすることにする……パチパチパチと秘書はタイプライターを叩いていたが、