Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
「だから何にも話を知らんのだから、お前がよく私に飲み込めるように筋道立てて話をしてくれたらいいじゃないか。……私に得心さえいけば金をやろうと言ってるじゃないか。……そこで家内が悲哀を可愛がってると……それは私にもよくわかっているが、それが一体どうしたと言うんだね?」
「旦那、奥様は悲哀を可愛がってなさるんじゃねえんでやす。奥様あ悲哀を抱いてなさるんでやす」
結局私は、この骨の折れる恐喝者のために強いアブサンの一、二杯を取ってやった。そして、言いたいことがあったら、私を以前の主人だと思わずに友達だと思って話して御覧! と言葉優しく説き勧めたのであったが、毒薬でも呻るような恰好で、そのくせ喉を鳴らして舌舐めずりしながら流し込んだ強烈なアルコオルの一、二杯がこの男の硬張っていた舌を滑らかにさせたのであろうか、ホセの話はやっと板に乗ってきたのであった。が、それと同時に私は今更に唖然として、いよいよもって開いた口が塞がらなかった。なんという奇怪至極なホセの話であったろうか!
怪奇ともそれは譬えようのない……未だかつて私が人から聞いたこともなければ、また物語の本で読んだこともない話! しかもそれを今現に私の妻ドローレスは悲哀と行っているというのであった。