Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
た。そして自分としては決して園丁の言うことを信じてはいないが、さりとて一概に笑い去り得ぬ節もあるように思われ、何とも思案に余ることであったが、妻に気取られぬよう、はたして妻と悲哀との間に、そういう浅ましい関係が成り立っているものかどうか、それを一つ探索していただきたいということをも、ことごとく依頼することができたのであった。
私も話し終り、そして探偵も要点を書き留め終って、「もちろん御名誉に疵の付かぬように、一日も早くお悩みの解決するよう、全力を尽しますが、随分御苦労なさいましたな。お察しいたします」としみじみ労ってくれた時には、さながら亡くなった親からでも傷ついた痛みの個所を温かく抱擁されているかのように結婚以来の鬱屈していた胸の中が、初めて軽々と飛揚するかのような感じがしてきたのであった。もちろん探偵に向って依頼することは、妻と悲哀との間にそのような関係ありやなしやの一点であって、妻と私との結婚以来の顛末なぞは何ら必要のないものではあったが、外に胸の悩みを訴える人を持たぬ私は、この探偵を眺めているうちにどうしてもそれらのことにまで、言及せずにはいられないような気がしてきたのであった。