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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

この辺はもはやコンゴー南東部を北ローデシヤ国境方面へ限る大密林の連続地帯であったからもちろん類人猿の徘徊することになんの不思議もなかったが、しかし今まではその恐ろしさを話にだけ聞いていて、実際は目撃したこともなかった類人猿の棲息地帯を知らず識らずのうちにいよいよ衝いていたのかと思うと、一瞬私の血も凍りつかんばかりの寒気を感じたのであった。

「ハムラ! もう仕事もこれでおしまいです! 類人猿がいたのではとてもこれ以上奥へは踏み込めません!」

と、震えながらジアンドロが言った。ゴリラの醜悪なあの面貌を恐れるのか、あるいはゴリラを忌み嫌う父祖以来の伝統が、その血の中に沁み込んでいるのか、アンゴラ土人の類人猿を恐れることは獅子、虎、バンタ毒蛇、豹にもまさっているのであった。

「何を言うのだ! 類人猿ぐらいが恐ろしくてこんなところで仕事ができるか!」

と私は一喝したが、しかし私とてもこの付近にあの膂力すぐれた類人猿が潜んでいると知っては、もちろん背筋を冷汗が走るのを禁じ得なかった。そして握りしめていた拳銃の引金に、いとど力の籠ってくるのを覚えたが、土人らの手前弱みを見せるわけにはゆかぬと思ったから、しいて何気ない体を装って、さらに二足三足歩を踏み出した途端、思わず私は竦然として立ち止まった。