Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
そしてそのおつもりで、御自分で監督はなすっていらっしゃるが、安心がならぬから、私は、今日自分で検分する。
これなら、まあ大丈夫だろう。覗かれるのはいつぞやのウェンデル以来こりごりだ!
二月十二日。今日ウェンデルの屍体が搬ばれて来た。何日雨に打たれてどこを彷徨うていたのか、あの大きな男の頬も悴け身体も痩せて髯ぼうぼうと、そして全身はふやけて見るも無残な姿であった。
男たちが屍体の始末をして、裏の納屋を抜けた密林の中へ埋葬してしまったから、私はその屍体をよくも見なかったが、あとで土人のフラゴが、その手にこんなものを握っていたと私にそうっと届けてくれた。
全身ポケットの中までも水浸しになった死後のことをおもんぱかったのであろう。手帳の紙を裂いて、それに鉛筆で書きつけて、小さく折り畳んで堅く堅く手に握っていたのだそうな。
俺は莫迦な男だ。俺の気持はそうでなかったが、心と反対のことをした。なぜそうしたのか、俺にもわからない。生きていればまだ俺は何かしそうだ。だから死んでゆくのだ。これでいいのだ!
ただそれだけのブッキラボーなものであった。
「莫迦な男!」
と私は舌打ちをした。