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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

その夫人が今年もまた、南米あたりから珍しい変り種を手に入れて、来春は三度目の入賞を得るであろうという巷間もっぱらの噂なのであった。

夫人とは交際場裡の双璧とうたわれて、事ごとに烈しく妻の競争心理を煽っていたが、かねて安からぬ思いを懐いていたその夫人の、極秘にしている犬の入手先が、今日初めて友達のマシアス・モリナーレ夫人に耳打ちされて、南米あたりから手に入れたどころか! 足許も足許、このバルセローナ市の裏通りでささやかな犬屋を営みつつ犬の変り種の研究に没頭しているフリオ・ベナビデスという奇人の店から、多額の口留料を付けて買ったものであると聞かされた時の嬉しさ! 途端に召使たちの改革も家柄も家格もマジャルドーの問題なぞもたちまち消し飛んで、妻の心は来春の品評会と犬の変り種とで一杯を占めてしまったのであった。そしてその嬉しさが妻の心を有頂天にさせて、白い眼を見せているのも忘れて、私のところへ電話を掛けて寄越させたのであった。口留料が利いているから容易なことでは売ってくれまいが、これから行って銀行の圧力をかけて、なんとかして一匹を手に入れて欲しいという頼みであった。