Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
「そうですか、あなたにお姉さんがおありだということも、私は知りませんでしたし、ましてそういう亡くなり方をなさったということも……あなたが一高へおはいりになった時は、さぞお父様もお喜びだったでしょう」
「父はそのずっと前に亡くなっているのです。姉が死んでから、三、四年もたってから死んじまったんですが」
「それからお母様とずっとあの家に」
「そうです」
「へえ! よくまあ淋しくないもんですね」
「馴れてますから何ともないですよ」
と、青年は含み笑いを洩らしました。そしてこういう哀れっぽい話は、止めてしまいましたが、およそ、これらの話も、晃一郎君は何も自分から順序だて、私に話して聞かせようとしたのではありません。私の問いに答えて重い口からポツリポツリと……それを私が今記憶を纏めてみたに過ぎないのです。
総じてこの青年は、元気そうな表面に似ず、内気な性質らしく、年にも似合わず落ちついていましたが、そのせいか時に陰気くさくさえ見えることがありましたが、そうした性格が内の面にこもっている憂鬱や、悲しみなぞといった心の動きを、あまり表面へ現さなかったものではないかと思われました。