Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
二本の松は赤松であった。その根元の小高い丘の上に……今私の立っているこの足許に、もはや姉と妹ととは争いもなく、平和に眠っているのであろう。
三根石は、紫色の膚を光らせて、台石もなく土の上に突っ立っている。
向って右が、
石橋 スパセニアの墓
左が、
石橋 ジーナの墓
幽蘭香を焚いて合掌する。香煙はゆらゆらと立ち昇って、墓の面を掠め、そして、私は憮然として、墓をみつめて立つ。
死後の世界では、人間はことごとく霊のからだと化して、恋もなければ愛もなく……嫉妬……怒り……悲しみ……嘆き……肉に属するもの一切は、ことごとく消え失せてしまうという。
そして、ただ幼児のように楽しく遊んでいると聞く。
石橋スパセニア嬢よ、石橋ジーナ嬢よ、生きていればこそ、人間愛欲の争闘もあれ! 死んだ今となっては、地上の悩み一切を忘れて、ただ楽しく……ただ楽しく……三人で幼児のように楽しい日をお送りなさい! と私は眼を瞑じて黙祷した。
「こんな淋しいところに親子別々に葬っておくのは、可哀そうじゃありませんか! お父さんのお墓も、ここへ一緒にして上げたら、いいじゃありませんか!」
と私は牧田氏を顧みた。