Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
そして、昼っから、僕、発とう!」
「お発ちになるの、かまわないじゃありませんか? よろしかったら、ごゆっくりなさいな……」
と姉娘が、艶やかな笑みを見せました。
「そうだわ、お連れしたらきっと乗るって、仰しゃるわよ。……でも、駄目ねえ、まだ水が冷たいから……そのうち暑い日が、きっと来ますわ、その日まで遊んでらっしゃいよ」
と妹娘も口を揃えて、いうのです。乗る乗らぬはともかくとして、明日はその湖水と溝渠を見せてもらってから発とうと、私は考えていたのです。こうして話を交わしているうちに、門のところで馬の嘶きが聞こえました。
「スパセニア、ほら、パパがお帰りになったわよ」
父親が帰って来たら、今夜また泊めてもらった礼をいおうと思っていましたが、そんなことは自分たちから知らせておくからかまわないといいますし、姉娘は父親の食事の支度に勝手口へ立ちますし、疲れて帰って来た父親の食事の妨げをしてもいけないと思いましたから、勧めてくれるまままた私は、二階の寝室へ上がって寝台に横になりました。こうしてその晩も到頭、その家へ厄介になってしまったのです。
もちろん、私の心の中からこの家に対する不思議さが、消えてしまったわけではありません。