Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
なぜ、こんなところにこの人たちは住んでいるのか? そしてこの家にはなぜ、母親がいないのだろうか? なぞと、いいえそんなことが、不思議だったくらいではありません。今夜娘たちの話を聞くと、いよいよ謎のように解けぬものが、私の心の中で止め度もなく、拡がってくるばかりです。
妹のスパセニアの話によれば、父親は鉱山技師だというのです。あの周防山の麓から、明日私の行こうとしている小浜のこっちの大野木村の入口まで、この広大な土地を持っているということは、容易なものではありません。大変な金持です。その大金持が、なぜ世の中に隠れて、こんな淋しいところに引っ込んでいるのか? 引っ込んでいるのはともかくとしても、そして大野木村の開墾地まで、用水を引いているのもともかくとしても、その蜿蜒たる四里の溝渠が、なぜ、ウォーターシュートの水遊びを兼ねているのか? まさか、この二人の娘たちのためばかりではありますまい。
一体あの父親というのは、どういう人なのだろうか? なぞとそれからそれへと疑問が果てしもなく湧き起って、尽きるところがないのです。しかも、そうした疑問を抱きながらも、寝台や羽根蒲団は、相変らずふくふくとして柔らかく、円かな夢を結ぶには、好適この上もありません。