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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

五人はその庭園にはいり、池の近くの芝生に腰をおろした。

話題は自然次郎の問題に集中された。しかし、もう誰も次郎の処分の有無を気にかけているものはなかった。道江でさえ、「小父さまがあんなお気持でいて下さるから大丈夫ね」と言い、また、「東京に行って朝倉先生のお世話になれたら、次郎さんは却っておしあわせだわ」とも言った。問題の中心は、次郎が俊亮に与えられた課題だったが、これは雲をつかむようで、みんなが始末にこまった。恭一は、

「立つ鳥はあとをにごさず、といったようなことかね。」

と、言い、大沢は、

「いや、学校側に一本釘をさしておけ、というんだろう。」

と言ったが、結局、そんな程度のぼんやりした解決以上には進展しそうになかった。

次郎本人は、その問題ではほとんど口をきかなかった。彼はむっつりして、いつも池の水ばかりを見つめていた。そして、みんなの話が行きつもどりつしている間に、ふいと立ちあがって、ひとりで池の向側の築山をのぼり、その裏側の竹林の中にはいって行った。

彼は問題をひとりで考えてみたかったし、そうでなくても、恭一と道江をまえに置いては、彼の考えは、とかくみだれがちになりそうだったのである。