Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
」
立ちかけていた来賓たちも、そのまま棒立ちになって、荒田老の言葉を待っていた。すると荒田老はどなるように言った。
「わしとあんたの間で問答しても、何の役にもたたん。」
「は?」
と、朝倉先生はけげんそうな顔をしている。
「あんたがこれから塾生に何を言われるか、それがききたいのです。」
「なるほど、ごもっともです。」
朝倉先生は微笑してうなずいた。
「今日、式場で、あんたは午後の懇談会であんたの考えをもっと委しく話すといわれましたな。」
「ええ、申しました。」
「わしは、それを傍聴さしてもらえば結構です。」
「なるほど、よくわかりました。どうか、ご随意になすっていただきます。」
来賓たちは、あとに気を残しながら、間もなく引きあげた。田沼理事裏もすぐあとを追って引きあげたが、立ちがけに荒田老の肩を軽くたたきながら、冗談まじりに言った。
「どうぞごゆっくり、私はお先に失礼します。あとは塾長まかせですが、塾長に何かまちがったことがありましたら、お叱りは私がうけますから、よろしく願いますよ。」
荒田老は、それに対してはうんともすんとも答えず、腕を組んで木像のようにすわっているきりだった。