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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

「だしぬけに、どうしたんだね。」

と、まだちゃぶ台のそばで茶を飲んでいたお祖母さんが、不機嫌そうに、俊亮にたずねた。

「いや、歳暮にも無沙汰をしていますし、どうせ一度行って来なければなりますまい。」

「でも、今年はまだ忌があるんじゃないのかい。」

「そりゃそうです。しかし、べつに年始というわけではありませんから。」

「じゃあ、松の内でも過ぎてからにした方が、よくはないのかい。あんまり物を知らないように思われても、何だから。」

俊亮は苦笑した。そして、ちょっと何か考えていたが、

「じつは、今、正木から至急の手紙が来ましてね。」

と、膝の前に重ねて置いた四五通の手紙に眼をやった。

「何を言って来たのだえ。」

お祖母さんは、急いでちゃぶ台のそばをはなれ、不機嫌と好奇心とをいっしょにしたような眼つきをして、俊亮の火鉢の前に坐った。

「今日の夕刻までに、是非来てくれというんです。」

「そんな急な用件って、何だね。」

「それは、行ってみないと、はっきりしませんが……」

「何とも書いてはないのかい。」

「ええ……」

俊亮の返事は少しあいまいだった。

「用件も書かないで、人を呼びつけるなんて、ずいぶん失礼だとは思わないのかい。