Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
彼は、お芳がほんとうに俊三を愛して自分を疎んじているのか、それとも、単にお祖母さんの手前そんなふうにみせかけているのか、それをはっきり言ってもらいたかったのである。
彼は、自分の俊三に対する嫉妬を恭一に覚られないで、それをどうたずねたらいいかに苦心した。
「俊ちゃんは、あれからすぐ母さんが好きになったんかい。」
「好きになったんかどうか知らないけど、すぐ、わがまま言い出したよ。おおかた、父さんが、わがまま言ってもいいって言ったからだろう?」
「わがまま言っても、母さん怒らない?」
「ちっとも怒らないよ。わがまま言うと、よけい可愛ゆくなるんだってさ。」
次郎の眼は異様に光った。彼は、自分がお芳に対して出来るだけ従順であろうとつとめていた一ヵ月まえまでの生活を思い起して、何かくやしいような気がした。彼はさぐるような眼をして、
「じゃあ、恭ちゃんもわがまま言えばいいのに。」
「馬鹿言ってらあ。僕、そんなこと、大嫌いだい。」
恭一は、いかにも不快そうに答えた。次郎には、それは意外だった。自分が愛せられることだけに夢中になっていた彼には、恭一の潔癖な気分がよくのみこめなかったのである。