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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

」

と、いくぶん恭一をなだめるような調子だった。

すると恭一は今度はお芳の方を向いて、いかにも詰問するように言った。

「母さんも、あすの方がいいと思ってるんですか。」

お芳は、例の笑くぼをかすかにゆがませ、お祖母さんの顔をうかがったきり、返事をしなかった。

「じゃあ、もういいんです。」

恭一は、捨台詞のようにそう言って、すぐ二階にかけあがった。

二階では、次郎が一人、蟇口を机の上において、ぽつねんと坐っていたが、恭一の顔を見るとすぐ言った。

「僕、今日、父さんにこの蟇口を買ってもらったよ。」

「ふうん、小遣も入れてもらったんかい。」

「うむ、一円だけ。」

「一円じゃあ、雑誌なんか買ったら、すぐなくなっちまうよ。それでひと月分だって言ったんかい。」

「ううん、二円ぐらいはつかってもいいんだって。」

「二円ならまあいいや。それで、あと一円は、いつくれるんだい。」

「この金がなくなったら、母さんにそう言ってもらうんだって。」

「ふうん――」

恭一は解せないといった顔だった。

「恭ちゃんは誰にもらってるの?」

「父さんでなけりゃ、お祖母さんさ。お金を母さんにねだるのはいけないよ。