Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに、彼は、嬉しいとも淋しいともつかぬ、妙な感じに襲われて来た。そして、それからそれへと連想がつづいて、正木のお祖母さんとお墓詣りをしたことから、ついには、亡くなった母の顔までが思い出されて来るのだった。

左側の窓の上の壁には、一間おきぐらいに大きな油絵がかかっていた。それは、すべて、郷土出身の維新当時の偉人の肖像画だった。次郎は、見るともなくそれを見ているうちに、その下に、新入生の父兄たちが、顔をずらりとならべているのに気づいた。次郎は、すばやく、その中に父の顔を見つけた。父も彼を探していたらしく、視線がすぐぶっつかった。次郎は少し顔を赧らゆて、眼をそらし、今度は右の方を見た。

右側の壁には、軍人の写真の額が一尺おきぐらいにかかっていた。次郎は、多分学校出身の戦死者の額だろうと思い、いちいちその下に書いてある名前を見たいと思ったが、自分の位置がずっと左側になっていたので、よく見えなかった。

やがて、型どおりの式が進んで、校長の訓辞がはじまった。

校長は、五分刈で、顎骨の四角な、眼玉の大きい、見るからに魁偉な感じのする、五十四五歳の人だった。