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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

間もなく、五年生らしい生徒が、二人で、のっそり教室にはいって来たが、その一人は教壇に立って、じろじろとみんなを見まわした。人相がよくないうえに、制服のボタンが、五つのうち三つしかついていない。しかも一番上のと一番下のとがはずれていて、垢じみたシャツが上下からのぞいているのが、いかにもきたならしく見える。次郎は軽蔑したい気持になって来た。

と、だしぬけにその生徒がどなった。

「上級生に対して尊敬の念を持たない奴は、顔を見るとすぐわかるぞ!」

次郎は、あぶないところで冷笑を噛みころした。

「立て! 俺について来い!」

その生徒はまたどなった。そして肩をいからしながら教壇をおりて、廊下に出た。

新入生たちは、ぞろぞろと、しかし、何となくおたがいに先をゆずりたがっているようなふうで、そのあとについた。誰の口からも、囁き一つもれなかった。

もう一人の五年生は、みんなが教室を出るのを、入口に立っでじっと見ていたが、最後の一人が出てしまうと、默ってそのあとについた。この生徒の制服にはボタンが五つともそろっており、顔付もおとなしそうだった。次郎は、教室を出しなに、ちらと彼の顔をのぞいたが、べつに不愉快な感じも起らなかった。