Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
それが悪いんか! 自分で知りもしない女の子を眺めていた貴様と、どっちが悪いんだ!」
次郎の眼からは、もう涙があふれていた。彼は、しかし、罵りやめなかった。
「五年生は、制服のボタンがついてなくともいいんか! こんなところにかくれて、煙草を吸ってもいいんか! そんな五年生が僕たちの上級生なら、僕はもうこの学校にいなくてもいいんだ! なぐるならなぐってみい! 貴様のような奴に死んだって負けるものか! ち、ちく生! 卑怯者! ごろつき!」
次郎は、自分の声に自分で興奮して、何を言っているのか、もう、まるで夢中だった。
いよいよみじめだったのは、三つボタンである。そうまで言われては、彼も、いつまでもせせら笑いばかりはして居れなかった。されはといって、彼が「卑怯者」で「ごろつき」であることが、次郎の言うとおりであるかぎり、次郎が決死的になればなるほど、彼としては、始末がつけにくくなるのであった。
だが、彼にとって何という仕合わせなことか、――たしかにこの場合に限っては、彼もそれでほっとしたにちがいないと思うが――そのせっぱつまった場合に、ひょっくり校内巡視の先生がやって来たのである。