Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
本田を下級生だと思うな。先生にも出来ない教訓を君に与えてくれたんだ。逆怨みはそれこそ恥の上塗だぞ。何を恥ずべきかがわかれば、君もほんとうの強い人間になれる。今のままだと、君ほど弱い人間は恐らくないだろう。私は、はっきりそれを言っておく。いいか。室崎。」
朝倉先生は、そう言って、室時の首がさかさまになるほど垂れているのを、じっと見つめ、
「およそ何が恥ずかしいと言っても、無慈悲なことをするほど恥ずかしいことはないぞ。無慈悲な人間は、強いように見えて、実は一番弱いものなんだ。私は、君らが何の理由で喧嘩をやり出したかは知らん。また、このまま無事に治りさえすれば、強いて知ろうと思わん。だが、室崎の下級生に対する無慈悲な態度が、その理由の一つであったことに、間違いないだろう。講堂の額は、ただの飾りではないぞ。大慈悲を起し人の為になるべきこと、――君は、もう四年以上も、それを見つづけて来ているんではないか。校長が訓話のたびに慈悲心を説かれるのを、君は何と聞いて来たんだ。……ねえ、室崎、君は、校長が口で説かれるとおりの慈悲の人であったればこそ、今日まで無事に学校にいられたんだぞ。