Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「僕、きょう、乳母やのおかげで、先生にこの本の話をきいたもんだから、ちょっと読んでいたんだよ。」
「乳母やのおかげですって?」
「うん、そうだよ。乳母やのおかげだよ。」
「坊ちゃんてば。……ほほほほ。」
「ほんとうだい。ほんとうに乳母やのおかげさ。嘘なもんか。」
次郎は怒っていると思われるまでに、真剣だった。
「そう? じゃあ、そのわけ聞かしてちょうだい。」
お浜は、まだ信じられない、といった顔をして笑っている。
「話すよ。……だけど、父さんにも聞いてもらおうかなあ。……そうだ、お祖母さんにも、母さんにも、聞いてもらった方がいい。階下におりようや。」
次郎は何か喜びに興奮しているようだった。
「階下に?」
と、お浜は、もうしばらく二人きりでいたいようなふうだったが、すぐ思いかえしたらしく、
「そう、階下にいらしって下さる方がいいわね。どうせ乳母やは今夜はとめていただきますから。」
「恭ちゃんは、まだ帰らないかなあ。僕の話、恭ちゃんにも、いっしょにきいて貰うといいんだけれど。」
次郎はそう言ってさっさと先きにおりた。お浜は、ちょっと恭一と次郎との机の様子を見くらべてから、そのあとにつづいた。