Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
恭一は泣いていた。彼をいじめていた二人は、ふりかえってしばらく次郎たちの一隊を見ていたが、自分たちより年下のものばかりだと見て、安心したように、また恭一の方に向き直った。
「女好きの馬鹿!」
そう言って、一人が恭一の額を指先で押した。
すると、もう一人が、うしろから彼の肩をつかんでゆすぶった。次郎は、これは大したいじめ方ではないと思った。
が、この時、橋のむこう半丁ばかりのところに、一人の女の子が、しょんぼりと立っているのが、ふと次郎の眼にとまった。真智子である。本田の筋向いの前川という素封家の娘で、学校に通い出す頃から、恭一とは大の仲よしであった。学校も同級なため、二人は友達に憚りながらも、よくつれ立って往復することがある。次郎は彼女が恭一とばかり仲よくするのが癪で、ろくに口を利いたこともなかったが、内心では、彼女が非常に好きだった。時たま、彼女の澄んだ黒い眼で見つめられたりすると、つい顔を赧らめて、うつむいたりすることもあった。
彼は、恭一がいじめられているわけが、すぐ解った。そして、真智子の前で恥をかいている恭一の顔を、じっと見つめていたいような衝動にかられた。