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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「まあ、呆れっちまうね。……ところで旦那様は一体どうなんだい。やっぱり坊ちゃんをいびるんじゃない?」

「そんなことあるもんか、旦那に限って。」

「でも、坊ちゃんを一人でお使いによこしたのは、旦那様だっていうじゃないの。」

「それはそうらしいね。でも、いびる気なんかまるっきりないよ。第一、お祖母さんや、奥さんとは人柄がちがってらあ。」

「どうちがってるの。」

「どうって……とにかく次郎ちゃんを心から可愛いがっているんだからね。」

「ほんとうかい。」

「ほんとうだとも。そりゃ可愛いがるよ。しかし、可愛いがっても甘やかさないところが、流石は旦那さ。」

「そうだと、私も安心だけれど……」

お浜は幾分物足りなさを感じながらも、流石に嬉しそうだった。そして、もっと直吉にいろいろ訊いてみたいこともあったので、一緒に連立って帰ることにした。

ところで、二人が正木に挨拶をすまして、いざ帰ろうとすると、かんじんの次郎の姿が何時の間にか見えなくなっていた。

「次郎ちゃん!」

「坊ちゃん!」

と、直吉とお浜とが、代る代る呼び立てた。その声に驚いたような顔をして、正木の子供たちが、ぞろぞろと蝋小屋から出て来たが、次郎の姿はその中にまじっていなかった。