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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

張という男は、こんな気まぐれな男だった。

「鬼の眼に涙だ!」

支那人達も、張宗昌をボロくそに、くさした。

街の空気は、工場の工人達に、ひゞいてこずにはいなかった。

あてがわれる機密費を、自分の貯金として、支那にいる間に、一と財産作って帰る腹の山崎は、M製粉や、日華蛋粉、K紡績、福隆火柴公司などを順ぐりに、めぐり歩いていた。

金を出して、支那人から、あんまりあてにならない情報を一ツ/\買いとるよりは、実業協会の情報を、そのまゝ貰って、それで、報告のまに合わせる方が気がきいている。山崎は、それをやっていた。そして、あてがわれる金は、自分の懐へ取りこんだ。

彼のポケットには、福隆火柴公司の社員の名刺がはいっていた。日華蛋粉の外交員の名刺も這入っていた。勿論、燐火の注文を取って来た、ためしもなく、用材の買い出しに行ったこともなかった。

工場の出入口まで来ると彼は、そこで煙と塵埃と、不潔な工人や、鼻をもぎあげる硫黄の臭気に、爪を長くのばした手を鼻のさきにあてゝたじろいだ。今、ロシヤ兵と、別れて来たばかりだ。

彼は話しも、顔の恰好も、歩きっ振りも、支那人と全く変らないのを自慢にしていた。