Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
――そうだ、ここの奴等も、俺達を笠に着てやがるんだ。と高取は思った。くそッ! 人を馬鹿にしてやがら!
「貴様、このあいだの、賃銀をよこせと云ってきた時のように威張ってみろ!」と小山は呶鳴っていた。
「何だ、ひいひい泣きやがって、もう一度、あの晩のような、横柄な口を利いてみろ!」
「うむ、支那じゃ、職工を殴り殺すやつもあるときいとったが、やっぱりむちゃくちゃにやるんだな。」
兵士は恐ろしいものに近づくように、ぼつぼつ、ぼつぼつと、軸木を拡げた蓆の間を縫って、現場へ近づいた。彼等は、ビンタを殴ったり、殴られたりはしたことがある。しかし、爪に針をつき刺すのは、見るのも今が始めてだ。錆びた針が、爪の根の白い三日月にまでつきさゝった。紫ずんだ血が、半透明の爪の下に、にじんでいた。
「こんな奴にちやほやする青二才があるから、のさばりやがるんだ。(これは幹太郎へのあてつけだ。)貴様、共産党の手さきであろうが!――工場が占領出来るんなら、占領して見ろ!……こらッ! もう一度、あの晩のような口はばったいことを、ぬかして見ろ!」
小山は近づいてくる兵士達が、自分のうしろ楯だと意識した。