Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
――このケチン坊、なかなか金を溜めこんでけつかって、人には貸そうとしやがらねえんだ! 中津は、忌々しげに考えた。畜生! こいつは、支那へ奔放自由な生活をたのしみにやって来ているのじゃないんだ。小金をために来てやがるんだ! チェッ! くそッ!
自動車がやってきた。
も一度、中津は正式に嫁に貰って、孫のように可愛がってやったら! と思った。
その方が平和で、その方がよかった。が、もう一歩を河に踏みこんでいた。どうせ、激流でも渡ってしまわなければなるまい!
「さア、出かけるとしようか。」彼は立ちあがった。金が、たりないことにも、気がかゝった。
「ボーイ、毛布はどうしたんだ?」眼を細めて賛成した赫富貴が云った。「あのロシア毛布を前の車に積んどけ。」赫はまた、快よげに眼を細めた。「――街ンなかを通る時にゃ、女をすっぼり頭からくるんどかないと、今日びの物々しい戒厳では、一寸、仕事がむずかしいからな。あのカーキ服の歩哨に猿轡をはめた女が見つかった日にゃ最後だよ。」
五人の者は、身支度を整えて、廊下へ出た。二階の窓硝子から通行人のポケットへ手を突ッこんでいる青鼠服が見えた。