Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
たび/\重い妹をすり上げた。つめたい血が、せわしくかわす、ふくらはぎに、ぽた/\流れかかった。
……人々は、S銀行の舎内のゴザの上で、一夜を過した。二枚のゴザの上に、十三家族が坐るのだ。医者はなかった。すゞは、ハンカチを裂いて、うたれた紫色の俊の太股をしばった。
二人には、ゴザの端もあたらなかった。板の上に坐った。
「そこでは痛いでしょう。これに坐んなさい。」
お歯ぐろをつけた小さいおばさんが、自分のねまきをゴザの代りにひろげた。
すゞは、そのおばさんの顔を知らなかった。しかし、その上で血で、ねまきを汚さないように気をつけながら俊に脚をのばさした。
二人は、並んで、おばさんの、ねまきの上に寝た。
「あゝ、恐ろしいこった。今日中にどれだけの人間が殺したり、殺されたりしたか、数が知れまい。」
と、おばさんは吐息をして、なむあみだぶを唱えた。
「……すっかり財産を失った人がどれだけあるか知れまい……百ではきくまい。家を壊されてしまった人だって、どれだけあるか!……あ、あ、怖いこった! 怖いこった!」
なむあみだぶ。
なむあみだぶ。
夜はふけた。俊は、歯を喰いしばって疼痛をこらえようとしたが、唸きが、ひとりでに、その歯の間から漏れた。