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Japanische Klassiker mit Furigana

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ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lesen Sie 死者の書 (ししゃのしょ) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.340 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

当麻の邑まで、おととい夜の中に行って居たこと、寺からは、昨日午後横佩墻内へ知らせが届いたこと其外には、何も聞きこむ間のなかったことまで。家持の聯想は、環のように繋って、暫らくは馬の上から見る、街路も、人通りも、唯、物として通り過ぎるだけであった。

南家で持って居た藤原の氏上職が、兄の家から、弟仲麻呂―押勝―の方へ移ろうとしている。来年か、再来年の枚岡祭りに、参向する氏人の長者は、自然かの大師のほか、人がなくなって居る。恵美家からは、嫡子久須麻呂の為、自分の家の第一嬢子をくれとせがまれて居る。先日も、久須麻呂の名の歌が届き、自分の方でも、娘に代って返し歌を作って遣した。今朝も今朝、又折り返して、男からの懸想文が、来ていた。

その壻候補の父なる人は、五十になっても、若かった頃の容色に頼む心が失せずにいて、兄の家娘にも執心は持って居るが、如何に何でも、あの郎女だけには、とり次げないで居る。此は、横佩家へも出入りし、大伴家へも初中終来る古刀自の、人のわるい内証話であった。其を聞いて後、家持自身も、何だか好奇心に似たものが、どうかすると頭を擡げて来て困った。仲麻呂は今年、五十を出ている。