Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「何だい?」
「イヨ/\お勤めでお芽出度うございます」
「有難う。何うして分ったんだい?」
「吉川さんから承わりました」
「成程」
「これで陰ながら歯ぎしりをしていました。何しろ六年からのお得意さまです」
「長いことお世話になったね。学校へ入った時からだから」
「今後とも何分宜しく。御卒業御就職は結構ですが、早速お嫁さんを貰って、砧村あたりへお引っ越しになっちゃ困りますよ」
「ハッハヽヽ。砧村は好かったね」
「逆さまに読めばタヌキ村でさあ」
「成程。ハッハヽヽ」
「大丈夫ですか?」
「そんな遠っ走りはしないよ」
「遠っ走りをしないと仰有るところを見ると、近っ走りをなさる当てがあるんでしょう?」
「いや、当分現状維持だよ」
と安達君は話が余り個人的になるので、不図目を開いた。周囲を見廻したが、未だ早かったから、客は自分一人だった。
「旦那。俺はお世辞でも何でもなく、旦那に感心しているんですよ」
「何うして?」
「吉川さんのように歴乎とした御自分の家なら兎に角、六年間も同じところから通う大学生さんってものは滅多にありません。それ丈けでも旦那は人格者です」
「好くしてくれるから動かないのさ。