Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「丸尾さんは何処までも私を出し抜く積りですわね」
「僕、もう出掛けます」
と安達君は帽子に手をかけた。
「私もお供致しましょうか?」
「さあ」
「考えて見ると、今日は正式の訪問ですから、仲人同伴が本当かも知れませんわ」
「…………」
「玄関まで送り届けて、御主人なり奥さんなりにお目通りして、それでは何分宜しくお願い申上げますって」
「行って参ります」
「あゝ、困った/\」
と奥さんは念を入れたいにも、今からではお化粧が間に合わない。外出の折は十以上若返ることを原則にしている。況して相手が丸尾夫人だ。
橋本さんのところはつい目と鼻の間だ。距離の関係から言えば安達君が最も有力に縄張りを主張出来る。安達君は玄関の靴の数で、吉川君ばかりでなく瀬戸君ももう来ていることを認めた。丸尾夫人のらしい草履がお清の注進を裏書していた。北海道も昨今は一生懸命だから頭が働く。
「やあ。早かったね」
「上には上がある。瀬戸君が第一着だった」
「この間は失敬。相変らずかい?」
と瀬戸君は落ちつき払っていた。
「君は一人かい?」
「一人とは?」
「仲人同伴じゃないのかい?」
「一人さ。何分宜しく」
「それでこそ正々堂々だ」