Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「おい。親方」
「何でございますか?」
「近所へ新店が出来たのを神経に病んでいるんじゃないかい?」
「先ずその辺かも知れません。何分宜しく」
と親方が本音を吹いたので、大笑いになった。
「何軒出来たって恐れることはない」
「へい」
「先方が余計勉強すれば、此方が負ける丈けの話だ」
「それじゃ困りますよ。先方は新店だから勉強を看板にするに定っています。此方は老舗だから、今更勉強なんかしたくありません」
「横着だね」
「勉強で勝つのは当り前でしょう」
「怠けていても負けない法を考えているのかい?」
「へい。頭を悩ましています」
「一つ相談に乗って、策を授けてやろうか?」
「何分宜しく」
「マネキンを置いちゃ何うだね? 素晴らしいのを。来るぜ」
「来たって、高くついたんじゃ勉強になります」
「いや、数さえ来れば引き合う。引き合いさえすれば、勉強にならないから、別に気の咎めることはあるまい」
「へい。しかしマネキンは高いでしょう?」
「五円ぐらいからある」
「いけません。五円頭を刎ねられるんじゃ気が咎めます。大勉強ですよ。商売が上ったりです」
「分らない男だな。その代り客が押しかけて来る。僕にしても、二度のところを三度も四度も来る」