Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「些っとも構いません。僕は日曜はいつもお昼と一緒です」
「御覧なさい。悉皆告白なすったじゃありませんか?」
「屑く降参します。頭の好い人には迚も敵いません」
と、これが吉川君の常套手段だ。やり込められて御機嫌を取る。瀬戸君と反対だ。気が置けないから親しみを感じる。少くとも積極的に嫌われるということがない。
佳子さんは相手を困らせれば宜いのだ。満足して話し込んだ。
「吉川さん、申上げようと思って忘れていました。昨夜、面白いことがあったのよ」
「何ですか?」
「銀座へ参りましたの。土曜日ですから、弼にねだられて」
「成程」
「会社員らしい若い人が私を呼び止めましたの。手帳と万年筆を出して、サインをしてくれと仰有るんです。私を女優と間違えたんですわ」
「ハッハヽヽ」
「人中でしょう。私は真赤になってしまいました。安達さんが憤慨して、『君、失敬じゃないか?』って。オホヽヽヽ」
「安達君も一緒でしたか?」
「はあ。『これは橋本閣下の令嬢だ』って、私を銀座で宣伝して下さいましたの」
「御迷惑でしたろう?」
「いゝえ。後から父が大笑いを致しました。土曜日は安達さんの番ですけれど、弼がねだったものですから、父が応接間を銀座まで延長して下さいました」