Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「…………」
「私、自分の知合の淑女の方には矢張り淑女らしい嗜みを守って戴きたいと思いますの」
「…………」
「お分りになって下すって? 私の老婆心から申上げるんでございますから」
「卑怯ね、あなたは」
「何故?」
「吉川さんの形勢が好いものですから、中傷なさるんですわ」
「中傷? まあ、奥さま」
「いゝえ、口惜し紛れに別の方面から故障を仰有るんでございますわ」
「然うお取りになるなら、それで結構でございます」
「そんな御注意、私、お受け致しません。第一、失礼じゃございませんか?」
「何方が失礼? 奥さま。あなたのような横暴な人ってありませんよ」
「何が横暴でございますか?」
「申上げましょう。暮に吉川さんの番で終っていますのに、又吉川さんの番で始まっているじゃございませんか?」
「そんなこと、橋本さんの御都合ですから、私、存じませんわ」
「御存じないと仰有るなら仕方ありませんけれど、御辞退なさるのが当り前でございましょう? 公明正大の競争なら」
「私、辞退なんか出来ませんわ。吉川さんの訪問日じゃございませんか?」
「…………」
「素々木曜日は吉川さんの日でございますよ。偶然木曜日に終って又偶然木曜日に始まったからって、責任に問われては、私、迷惑致します」