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Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

自分で伺わなければならないのですが、年度替りで忙しい時期ですから、悪しからず御諒察を願ってくれと申して居ります」

「長倉卓郎。ふうむ」

「御存じでいらっしゃいますか?」

「知っているどころじゃない。若い頃、俺の家に書生をしていた男だ」

「はゝあ」

「矢張り郷里のものだよ。○○重工業の重役を勤めている」

「道理で、地位としても申分ない人のように書いてありました」

「長倉と懇意かな。君のお父さんはお幾つだね?」

「五十一です」

「長倉は五十七八だね。郁子」

と閣下は夫人に訊いた。

「三か四でございましょう」

「いや、もっと取っている。髭が白くなったと言っていたもの」

「あれ以来お見えになりませんわ」

「うむ。兎に角、君のお父さんよりは上だけれど、晩学だったから、大学で一緒だったのだろう」

「父の先輩だと書いてありました」

と瀬戸君が言った。

「それじゃ確かに五十七八だよ」

「精々四か五ですわ」

と夫人は主張した。この老夫婦は何方でも宜いような記憶の問題にこだわる癖がある。閣下は昔の通り頭が好い積りだけれど、夫人はそれを認めない。富士子さんは又始まりましたという意味を伝える為めに、瀬戸君の顔を見て微笑を洩らした。