Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「二千円入れよ。年に七十円足らず、月に割ると五円と少しだ。それで、妻子が浮べるんだから」
「縁起の悪いことを言うなよ」
「兎に角、考えてやれよ。僕も他の奴なら撃退するけれど村上君だから直ぐに観念してしまった。村上君は応援団長として学校の功労者だ。ビリ一になって就職の方が巧く行かなかったのも犠牲の精神に富んでいるからだ。これは皆入ってやる責任がある」
「よし。考えて置く」
と安達君は急に折れた。妙な責め手があるものだ。
「今日はもう実務は語らない。吉川君が二千円、君が二千円、合計四千円出来たんだから、もう沢山だ」
「僕は千円だよ」
「二千円奮発してくれ」
「駄目だよ。実はこゝの奥さんの兄さんが◎◎生命へ出ていて、その方からも勧められているんだから」
「それじゃ千円なら入ってくれるね?」
「うむ。都合をつける」
「◎◎の方の手が動いても、後へは引くまいね?」
「引かない」
「何んなことがあっても?」
「安心し給え。一旦口から出したからには責任を尽す」
「有難う。千円出来た」
と村上君は応援の時にやる手拍子を打った。
「君」
と吉川君はお茶を薦め終った女中に声をかけた。
「はあ」
「千円だの二千円だのって、僕達も豪いものになったろう」