Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
と香川さんは憤る真似をした。二人は話し始めると長い。佳子さんは香川さんの親切に酬ゆる為め、縁談の進捗を詳しく打ち明けて、善後策を相談したのだった。
その翌日が丁度問題の吉川君の番に廻り合せた。佳子さんは平素に異るところなく、一晩機嫌よく応対した後、マントルピースの上から小筥を取って、
「吉川さん、これ皆安達さんのよ」
と言いながら、内容を示した。手帳、紙入、名刺入、受取証、映画の番組、電車の回数券等だった。しかし安達君のではない。安達君のポケットにありそうな品目を考えて、寄せ集めたのだった。
「何うしたんですか?」
「身体捜索をさせて戴きましたの」
「はゝあ?」
と吉川君は覚えず立ちかけた。
「未だお宜しいでしょう?」
「はあ」
「私の発案よ。でも、念の為めですから、父と母に一応目を通して戴きました。あなたも何う?」
「何ですか?」
「追剥のようで失礼ですが、ポケットの中のものを悉皆こゝへお出し下さい」
と佳子さんは初めは声が震えたけれど、もう凛然たるものだった。
「…………」
「私、疑うのじゃございませんけれど、いつか一度踏みたいと思っていた形式よ。安達さんにもお願いしたんですから、何うぞ悪しからず」