Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「そこへ行くと、吉川さんはお悧巧ね」
「要領の好い奴です。迚も敵いません」
「吉川さんや瀬戸さん、それに小宮さんは長年の御交際ですから安心ですけれど、性の分らない人は学校のお友達でも油断がなりませんよ。幾らお頼まれになっても、借用証書の連署丈けはお断り下さい」
「大丈夫です」
「いゝえ、あなたは正直過ぎますから」
とこれが奥さんの見積りらしかった。
食事が終っても、安達君は立たなかった。先刻縁談を勧められたところへ、吉川君と村上君が訪れたのだった。中断された話の続きがあるのだろうと思って期待していたが、奥さんは知らぬ顔でラジオにスイッチを入れた。丁度お昼のニュースだった。安達君はそれを聴き終っても立たなかった。
「奥さん」
「何あに?」
「先刻のお話の続きを伺いましょう」
「何でございましたか知ら?」
「もう忘れていらっしゃるんですか? 前途遼遠の問題ですよ」
「まあ。オホヽヽヽ」
「僕は矢っ張り人が好いんですね。彼方此方で担がれます」
「でも前途遼遠じゃ仕方がないでしょう」
「いや、相手次第で然う遼遠でもないんです」
「その辺が本音でございましょうね、先刻からナカ/\お立ちになりませんから」