Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「地方は土地が狭うございますから、勢い民間の人達とも交際しなければなりません。それが辛うございました」
と述懐したそうである。銀行は民間だ。大谷夫人はひどく侮辱されたように感じた。その後間もなく大谷さんが、
「今そこで大変綺麗な奥さんに会ったが、何処の人だね? この間も見かけた」
と問題にした。
「お目に留まりましたの?」
「うむ」
「丸尾さんといって、民間の嫌いな奥さんよ」
「えゝ?」
「高等官夫人ですわ。吉川さんの借家へ越してお出になりました」
「兎に角、綺麗な人だ」
「あなた、そんなことで支店長の締め括りがおつきになりますか?」
と大谷夫人は見当違いをしている。銀行は金融機関だ。
その丸尾夫人が吉川君の仲人を買って出たと聞いては引っ込めない。現にその為め安達君が目の前で泣きそうになっている。女にも侠気がある。
「安達さん」
「…………」
「安達さん、私、お引受け致しますわ」
「はゝあ」
「主人も見込さえあれば反対は致しません。主人を説いてかゝります」
「何うぞお願い申上げます」
「お家からお手紙が着き次第、橋本さんへ伺います」
「僕、失敗しても決して自暴自棄なんかに陥りません」