Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
「御郷里は北海道でいらっしゃいましたね」
と橋本夫人は弼君を通して知っていた。安達君は夏休みに帰省した時アイヌの拵えた弓の矢を買って来て、弼君へのお土産にしたことがある。
大谷夫人は安達君の家を村一番の豪農として力説した。家系の正しいことは言うまでもない。長兄のお嫁さんが一度代議士に出た人の娘で、次兄が北海道大学教授の姪を貰っていることにまで及んだ。大谷夫人は東京の人だけれど、御主人の帰省のお供をして、安達君の家へ寄ったことがある。
「大きな家でございますよ。現に直ぐ上の兄さんが分家をして、立派にやっていらっしゃるんですから、安達さんも生活の安定はつけて戴けます。その辺のことは何れ主人からお郷里の方へお尋ねして、確かなところを申上げましょう」
「御本人さえシッカリしていらっしゃれば、大きなことは望みませんが、この頃のお若い方は概して薄給でございますから、初めから然うひどい貧乏もさせたくないと存じまして」
「安達さんは兄さんの割合から一万五千円ぐらいの見当をつけていらっしゃいますが、私はその上に家を一軒建てゝ戴くようにと突っついています」
「好い軍師がついていて、お仕合せでございますわね」