Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうそうやわ
法窓夜話
穂積 陳重
Lesen Sie 法窓夜話 (ほうそうやわ) von 穂積 陳重 (ほづみのぶしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.325 Zeichen · 264 Bildschirme
一 パピニアーヌス、罪案を草せず
大正四年七月
英国ロンドンにおいて
穂積重遠
一 パピニアーヌス、罪案を草せず
士の最も重んずるところは節義である。その立つやこれに仗り、その動くやこれに基づき、その進むやこれに嚮う。節義の存するところ、水火を踏んで辞せず、節義の欠くるところ、王侯の威も屈する能わず、猗頓の富も誘うべからずして、甫めてもって士と称するに足るのである。学者は実に士中の士である。未発の真理を説いて一世の知識を誘導するものは学者である。学理の蘊奥を講じて、天下の人材を養成するものは学者である。堂々たる正論、政治家に施政の方針を示し、諤々たる議、万衆に処世の大道を教うるは、皆これ学者の任務ではないか。学者をもって自ら任ずる者は、学理のためには一命を抛つの覚悟なくして、何をもってこの大任に堪えられよう。学者の眼中、学理あって利害なし。区々たる地位、片々たる財産、学理の前には何するものぞ。学理の存するところは即ち節義の存するところである。
ローマの昔、カラカラ皇帝故なくして弟ゲータを殺し、直ちに当時の大法律家パピニアーヌス(Papinianus)を召して、命じて曰く、
朕、今ゲータに死を賜えり。