Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

「お話になりません」と恒吉は暗い顔をして首をふった。

「御承知の通り本家新宅の周りに十五町ある田地ですが、多少収穫のあったのは桑ぐらいのものです。せっかく表土を一尺も二尺も取り除けて作ってみても、風が吹けば毒砂が落ちる、雨が降れば毒水が流れるという工合で、芽が出かかったのもみんな枯れてしまいます」

「なるほど」と正造は感に堪えぬ顔をして「この辺もだいぶ毒塚が増えたから、なにか多少は収穫もあるからの努力だろう。途々そう思って見てきたが」

「百姓は駄目だとわかっていても、作づけはしないじゃおられないのです」

本家は二階建のいかにも豪家らしい造りである。座敷へ通ると、正造は恒吉の口から更に意外な話をきかされた。足利郡の郡吏青木某というものが最近この附近の村々へ出張して、被害民が困窮しているのにつけこんで、田畑一段歩について三四円ずつの金を与え、爾後どんな事故が生じても苦情がましいことは一切申し立て間敷という、永久示談の契約書に捺印させようと計っている。脅迫がましい態度で強制しているということだった。

「まるで古河の手代のやる仕事だ。どうせ古河から金をもらっているのだろうが、いくら金が欲しいからといって、いやしくも役人という肩書の人間が、古河市兵衛の奴隷になるとは怪しからぬ。