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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

与八はそれらの事柄をきき知るのも浅からぬ因縁のように思えて、言外の激励を覚えた。

「まずこの村では大出喜平、山本栄四郎、青木金次郎、ここらあたりが気慨もあるし必ず同志として起つだろう」

孝八郎は指折り数えてそういい、自分もイザという場合には、未だ青年に伍して奔走する元気があると、昂然と眉をあげた。

与八は道順によってまず青木金次郎を訪ねた。青木は早速に同意して大島村役場へ与八を同行した。役場で与八がやや硬くなって来意を述べると、青木もかたわらから言葉を添えて、

「僕もこれから懸命に運動するつもりだから、役場の諸君も大いに後援してくれたまえ」

村長の青山嘉一郎をはじめ吏員たちにも異存がなく、運動はなにから着手すべきかなどと実際問題に触れて話がはずんだ。するとそこへ折目のついた羽織に草鞋穿きという出立ちで、見馴れぬ男が三人つれだって入って来た。

名刺を見ると、渡瀬村大字下早川田の小林善吉、同じく原金次郎、吾妻村大字下羽田の庭田恒吉であった。小林と庭田とは三十五六、原は五十年輩である。庭田が切口上で来意を通じるのをきくとやはり請願運動に就いてである。これまでは、なにぶん被害区域が広く被害民が多数でまちまちの考えを持っていたし、なかには僅ばかりの示談金で諦めている村々も少からずある。