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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

すると榎本はさらに沈痛な顔をして「農商務省は議会において非難攻撃の的になったばかりでなく、そのことが聖慮を煩わし奉った。まことに恐懼に堪えない次第である。鉱毒問題についても、被害民に対して今日まで放っておいた責任もあり、地方官に対する処置法もあるから」と、意外に固い決意のほどを洩らしたのだった。

「気が早いではないか」津田は馬車の扉にたち塞がるようにして、もう一度榎本を見つめた。

「うん、もう引っ越しだよ。今度は向島の方へ遊びに来てくれたまえ」

榎本は磊落に受けながして馬車に納った。そうしてなかから顔を寄せていい添えた。

「明日から大隈を訪問して、尻を打ったたいてやるんだね」

翌二十八日の午前十時頃、号外売りの鈴音が街々にひびいた。榎本農商務大臣の辞職、大隈外務大臣の農商務相兼任を伝えるものであった。

そこで津田、高橋その他十数名の有志は相携えて大隈を訪問し、鉱毒施済処分を速かにすること、農商務相は被害地を巡視することの二事を建言した。

「諸君のお話の趣旨は至極同感である。ただし被害地を視察せよといわるるのは、わが輩に同情のない言葉で、わが輩は御承知のとおりの体であるから、それは困難である。