Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
正造は二日に帰郷して、三日には宇都宮にひらかれた下野支部発会に出席し、翌日からまた被害地の各町村を巡回した。選挙運動というより鉱毒のための奔走であった。
八月十日が投票日で、正造は六たび当選した。全国の開票の結果が明かになると、憲政党は二百六十という絶対多数で反対派と目されるものはわずかに国民協会の二十名その他は無所属であった。
その後も正造は引きつづき被害地に滞在して、各村の青年たちと談合したり、鉱毒研究会に出席したりして寧日なかった。根拠地は例によって雲龍寺だったが、一日小閑を得て、二三の青年と雑談に時をすごした。座談は選挙中の出来事からおのずから新内閣のことに触れたが、正造は渋団扇で汚れた※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)鬚のあたりをあおぎながら、
「わしは内閣の組織以来というものは寸毛の功もない。政界のことは暗愚のうえに暗愚になって、もう真暗闇だ。ただカモかアヒルのように、川の辺や蘆のほとりの貧村に出没しているばかりさ。そうして、栄養の乏しい食物をもらっているばかりだ。金殿玉楼の大政庁のことなどわかろうはずがない」
そういって憮然とした面持を見せた。