Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
ところが、千津村も斗合田も飯野も、警官が次々に先きまわりをしては渡船を隠してしまった。彼等はとうとう二里余りも堤防の草深い闇をふんで越の渡し場まで来た。その付近はさきの洪水で崩された破堤の修築中で、工事用の大きな和船が五六艘舫ってあった。
「そうだ、工事の人に事情を話して、この船で渡してもらおう。あの小屋に誰かいるはずだ。ひとつ頼んで来る」
地元の利島村の片山嘉兵衛が、そういって堤を下りてゆくと、川辺村の井田兵吉たち数人がその後に従った。やがて小屋の中から六七人の男が起きて来て、
「よし来た、これからおれたちであんた方を一人残らず渡してやるぞ」
と叫びつつ船へとび移った。なかでも頭株らしい男は、襦袢一枚にむこう鉢巻で舳に突立ち、
「なアに巡査の一人や二人、たまげるもんじゃねえ。邪魔なんかしたら、この棹で利根川へたたきこんで行水つかわせてやらア。さア、皆さん、どしどし乗った、乗った」
被害民たちも気勢にさそわれて、それッとばかり乗りこんだ。追々と警官も駆けつけて必死にそれを遮った。そのうちにどう血迷ったのか、警官の二三が抜刀した。丁度そこに居合せた野口が激昂して、