Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
「国家にかくの如き不幸の民があるのを知ったなら、官吏や議員などは率先して、みな決死の覚悟でこれを救わねばならぬ責任があります。かの日清戦争を想うべきである。寒天雪を冒し、敵を突いて陣頭に死んだものがいかに多かったことか。しかし国家のために死するのは兵士のみの務ではない。官吏も立法院の議院もまたそうでなければならない。兵士だけが国のために死ぬのだと思うのは大々的な誤りである。第一にこの正造は、日本の代議士であり、加害被害の顛末を知るもの、衆に先立ちて尽力すべきは当然の職分であります。諸君のうちにすでに非常に斃るるものを見る、正造は諸君の死に先んじて死を決しなければならない」
正造は声をのんだ。決意を新にするもののような深刻な陰影が、その面差しを蔽うた。
「しかしながら、新政府には未だこの惨状を知るものが少い。新政府の人々に説明して惨害の実情を知らしめる必要がある。なぜなら、身体疲労し二昼夜も寝食をとらずにきた諸君を迎うるに、道を扼し、橋を撤し、渡船を奪うなど、ほとんど北狄の襲ってくるのに備えるような有様である。これは察するところ事態を解しないためで、まったく誤解からこの残酷を加えたものでありましょう。