Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
彼等が請願に出京することは通知があったから知っていた。だが、おそらく今度という今度は必死の覚悟ででてくる。それをどうして自分に止めることができよう。彼はそう思いつめていた。彼等の追いつめられてきた事情も、気持も知悉しているからである。それに、一昨年の淵江村以来自分には重い言責がある。「正造は再びお止めは申さぬ。いや、お止め申さぬばかりでなく、そのときこそは正造は諸君と共に進退する」と、その時の言葉は絶えず胸を往来している。別にさアでて来いと指図こそしなかったが、彼等がどこまでも真面目な態度でやってくれればよいと念じていた。またその点では信頼のおける人々のいることを疑わなかった。だが、いかに真面目にやり、慎重にことを計っても、人間には不慮の間違いの起るのを防ぎ得ない場合がある。……正造は、そんなふうに感慨に陥っていたが、急にからだを起して加藤とともに衆議院を出た。
信濃屋へ帰ってみると、出京中の総代たちに取りかこまれた山崎の繃帯あたまが、すぐ目に入った。山崎は正造を見るや否や坐りなおして、改めて悲憤のこみあげる顔付で訴えだした。「私たちは三十名ばかりで、館林から一行に加わったのです。