Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

おくのです。従来の大臣、従来の政府の役人は、賢明なる者ばかりであったかも知れないが、あとにはただ暴悪の跡ばかりが残っている。役人たるものは賢明でなくともよろしい。さほど日本一の聖人でなくともよろしい。また大政治家でなくともよろしいから、あとへ乱暴なことを残さないように致して御もらい申したい」

縷々述べ去り述べ来るうちに、簡単にと前おきした演説も二時間近くになった。正造もさすがにそれに気付いて、

「もうずいぶん御迷惑でござりましょうから、お話はこの辺で止めます」

申訳なさそうに口をつぐむと、声の主は誰かわからなかったが、「ゆっくりやりたまえ」と叫ぶのがきこえた。正造は唾をのんで言葉をついだが、

「申しあげたいことは実に沢山ございますけれども、今日になりまして何を申しましょうか」

しばらく考えこむ風であった。一時は顔を充血させていた憤激も引いて、疲労の影がありありと窺われた。「政府には完全なるお方がいる。従来のような穢いことをおやりにならないように、これだけは御免を蒙る、いよいよそれをやるならば政府はみずから人民に、竹槍蓆旗に訴えよ、軍さを起せよ、ということの権利を与えるようなものである。