Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
――しかし自分は屈することなく正論をもって攻撃をつづけた。それにしてもこれはわずかに道理上の攻撃にとどまって、被害民の苦痛を訴える真価とはならなかった。関東の沃野を不毛に至らしめまいとして、これを未然に防ぐことができなかった。自分が独り狂奔し怒号したが、顧みるものは稀で、ただいたずらに世の笑と誹りのうちに六年が経った。この間、加害者の古河は金力、暴威、悪奸、いたらざるなき有様だった。政界も、大小官吏も、学者も、教育家も、このために毒せられて却って古河の走狗となり、馬足となり果てていた。またその災に会わないものも、政党政府ことごとくこのことに無経験のために、問題のなんたるかを知らずに過していた。世人もまた無経験で、いっこうに痛痒をかんじない顔であった。被害民すら無経験で、その害の怖しさに気付かずにいた。鉱毒が濃厚となり、不毛の地が多くなり人民の貧苦疾病に陥る地方が多くなって、この正造の言葉が正論か僻説か、ようやく被害民たちにのみこめてきた。三十年になってようやく僅に政府の取るところとなった。
――だが、依然として被害民を救うことはできなかった。不毛の地を恢復することはできなかった。