Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
「あきれたね……」
村田がいいかけた時に、ボックスの蔭になって見えなかったけれど、其処から、すらりとした美少女があらわれたので、口を噤んでしまった。
なんかというと、鼻の下ばかり擦っている喜村には、過ぎた妹だった。
二
「美都子だよ――」
「よろしく……」
洋装のぴったり合った、香油に濡れたような瞳をしていた。
「村田君だ。知らなかったかね……、今、今なにしてんだっけね君は」
「まだいわないよ」
「ああそうか」
村田と美都子が笑ってしまった。
「こういうところで、やってんだが」
村田の出した名刺を見て、眉を寄せた喜村は
「……どういうことをしてんだい」
「今のとこ、さっき君のいった嗜眠性脳炎の問題をがんがんせめられてんだがね」
「ははあ、そういう研究所かい、あんまり聞かない名前だと思ったが、ちょっと伝染病研究所みたいなもんだね」
「まあ、そういったもんだ」
「で、どうだい――」
「どうだいって、全然わからんよ、まだ病原体もわからないんだから手がつけられない」
「しかし、新聞じゃ相当騒いでるね、だんだん活字が大きくなるし」
「そうなんだ、それだけに余計やいやいわれるんだよ」